「Ikigai(生きがい)」「アンチ・フラジリティ」
キャリア支援の世界的潮流を学び、実践者と交流できる場です
●今回も全国からキャリアコンサルタントや支援者が集まり、
キャリア支援の世界的潮流を学びながら交流を深めました!
2025年9月20日(土)、第8回「社会正義のキャリア支援研究会」を開催しました。今回も、企業、学校・教育機関、需給調整機関、地域、医療・福祉など、様々な領域で活動に取り組む方々が全国から集い、社会正義のキャリア支援に関する学びを深めました。
開催当日は、下村英雄先生(当研究会顧問)のご講義「第8回 社会正義のキャリア支援研究会 -キャリア支援は平等に貢献する-」に引き続き、河野道子さん(法政大学 地域ウェルビーイング研究所 特任研究員)の実践発表「女性のキャリア支援~“おひとりさま”ミドルシニアの 社会的孤立を防ぐために~」を行いました。
下村先生のご講義、実践発表、参加者の方々から寄せられたコメントや感想の一部をご紹介します。
「初めての参加でしたが、皆さんの真摯かつ深い洞察・理解に圧倒された時間でした」
「現実の不平等に対し、真剣にお答えいただく姿にも感動しました」
【ご参加者から寄せられた感想等の一部です】
~研究会全体を通じて~
- 初めての参加でしたが、皆さんの真摯かつ深い洞察・理解に圧倒された時間でした。目の前の不平等、目の前にいる人を救おうと日々奮闘し苦悩されている方々の率直な言葉と苦悩を共有させていただき、何度も涙を流しました。浅学ですが、各分野の専門家の先生達の姿勢や言葉だけではなく、現実の不平等に対し、真剣にお答えいただく姿にも感動しました。課題は大きく、簡単に解決できない現実を実感すると同時に、なぜか前向きな気持ちにさせていただいた、姿勢を正していただいた、という感謝の気持ちが大きいです。また参加させていただければと思います。本当にありがとうございました。
- (当研究会に)参加するたびに、基本的なことから最先端のことまでいろいろ学ばせていただき、心から感謝します。昨今、世界情勢(特にアメリカが顕著ですが)的にも、日本の政治を見ても右とか左とか、国籍や人種問題などが問題になり、属性による差別や社会の分断を助長するような方向に向かっている中で、「社会正義」は実に本質的で真っ当な議論ですし、この研究会は私たちにとって一服の清涼剤になっていると思います。これからも続けていただければと思います。
- いつも興味深い情報提供を頂き、有り難うございます。偉大な研究者でありながら、我々に対する下村先生のいつも通りのフラットな関わり方のスタイル。これこそが、社会正義のキャリア支援を湧き立てるエネルギー源になっていると感じています。もっともっと、学会やNPOの中でシェアリングを進めてまいりたいと感じています。
開催当日の研究会の様子をお伝えします(開催内容、参加者の声など)
今回の研究会で行われた「講義」「実践発表」について、当日の資料および参加者の皆さんが寄せてくださった感想やコメントから、その一部をご紹介します。
- 講義
「第8回 社会正義のキャリア支援研究会」
- キャリア支援は平等に貢献する-
下村英雄先生(当研究会顧問、「社会正義のキャリア支援(図書文化社)」著者) - 実践発表
「女性のキャリア支援」
~“おひとりさま”ミドルシニアの 社会的孤立を防ぐために~
河野道子さん(法政大学 地域ウェルビーイング研究所 特任研究員) - 次回の開催告知
2025年12月20日(土)10:00-12:30
オンライン開催(Zoom)
1.講義
下村 英雄 先生(当研究会顧問、「社会正義のキャリア支援(図書文化社)」著者)
「第8回 社会正義のキャリア支援研究会」
-キャリア支援は平等に貢献する-

下村 英雄 先生
【下村 英雄(しもむら ひでお)先生】
キャリア心理学者。東京成徳大学大学院講師。日本キャリア教育学会前会長。日本産業カウンセリング学会元監事。筑波大学大学院博士課程心理学研究科修了。博士(心理学・筑波大学)。主著に『キャリアコンサルティング 理論と実際6訂版』(雇用問題研究会)、『成人キャリア発達とキャリアガイダンス:成人キャリア・コンサルティングの理論的・実践的・政策的基盤』(労働政策研究・研修機構/平成26年度労働関係図書優秀賞)、『キャリア・コンストラクションワークブック:不確かな時代を生き抜くためのキャリア心理学』(共著/金子書房)、ほか多数。






参加者の皆様から寄せられた意見、感想など(講義全体を通じて)
- 下村先生のお話を伺い、キャリア支援にはグローバルとローカルの双方の視点を持つことが重要だと実感しました。質疑応答では、Ikigaiは大きなものでなくてもよく、一人ひとりが自分なりのIkigaiを見出せるよう、多様なアプローチを模索する必要があると気づかされました。世界の潮流や最新の動きを共有いただけることも大変学びになります。本日は初参加でしたが、今後も継続的に学ばせていただきたいと思います。ありがとうございました。
- 下村先生、この度は貴重な講義を伺わせていただき、本当にありがとうございました。私は、いくつかの業種、職場を経験してきましたが、不思議と、障がいのある方、家庭環境に苦しんでいる方、外国籍で苦労している方とのご縁がありました。その方々から相談された時、自分の限界に歯がゆさを感じ、キャリアコンサルタントを目指しました。しかし、養成講座やさまざまな会でイメージされるキャリアコンサルタントの仕事像になじめず、悩んでいたときに、先生の社会正義の著書が発売されました。内容がまさに自分自身が思い悩んでいたことそのもので、大変衝撃を受けたと同時に、著書の中に書かれている領域でのキャリアコンサルタントになりたい、と決心し受験勉強を再開しました。結果、お陰様で、同年末の試験で合格できました。先生の著書に出会わなかったら、キャリコンの試験自体も受けなかったでしょう。
- 私は現在、地方在住ですが、社会正義について、周囲のキャリコンの中で話題になることはないです。しかし、社会正義に関するご著書に書かれている世界は、この地方にも現実に存在していて、また、個々人で地道に活動されている方もいます(自主夜間学校を開催されているキャリコンの方もいらっしゃいます)。地方の弱々しいかもしれない社会正義への取り組みの「点」が、下村先生の提唱される世界と繋がり、まさに地方(ローカル)と東京がつながる中で、新しい潮流が生まれることを、心から願っています。過疎化が進む地方在住のため、もちろんキャリコンの仕事自体がなく、普段は普通の事務派遣社員として働いていますが、いつかキャリコンとして社会貢献できるよう、学びを続けていきたいと思っております。また下村先生の講演や講義に参加したいと思っています。
- いつもわかりやすい講義をありがとうございます。私はキャリアコンサルタント資格を取得しましたが、まだコンサルタント業務の経験が浅く、なかなか実践を積む場が得られていません。せめてその間に勉強をする機会は得たいと思い、今回が2回目の参加となります。ご高著の『社会正義のキャリア支援』は気づきや引用文献も多彩で、何度も読み返して勉強を深めていきたい一冊になっております。私自身が「女性」で「シニア」で「障害者」でもあることもあり、セルフケアをする意味でも勇気づけられた書籍です。直接お話を伺う機会をこの研究会で得られたことを大変ありがたく思っております。ありがとうございます。
- 国際的議論の最前線をわかりやすく示してくださり、誠にありがとうございました。「キャリア支援は社会的平等に貢献する」という原則は、賃金交渉にとどまらない労働組合の社会的役割を強く裏付けるものです。労働組合の現場実践としても、理念と「綺麗ごとでは済まない」現実をつなぐ活動を一層推進していきたいと決意しました。特に、アンチ・フラジリティや生きがい(Ikigai)の概念は、変化の激しい飲食業界で、仲間たちが希望を持ち続けるための大切な視座となりました。
- サインポスティング、イネイブリングという新しい概念や、Ikigai、アンチ・フラジリティなどの最新情報を学ぶことができ、大変有意義な研究会でした。社会的流動性を高めることが重要だというお話がありましたが、日本社会は文化的、制度的に流動性が高くなく、最近は特に保守的な傾向が強まっていることが気になりました。日本では、個人主義が定着せず、チームワーク、家族(世帯)単位を基本とした社会であることと関係があるのではないかと考えます。個人の尊厳が守られ、人権が尊重される社会に向けて、キャリア支援を続けていきたいという想いを強く感じました。
- (自分が日頃)支援をしていて、「やりがい」というものが見いだせない方が一定数おられます。そういう方と出会う度に、本日の質疑応答でも出ていたように、「やりがいというのは、アッパー層の視点ではないか。強要させているのではないか」と、支援の仕方に悩んでいました。しかし、本日参加させていただいて、大きなスケールでなくても良いのだと気付き、今後の支援の支えになると感じました。
- キャリアガイダンスの観点を学べば学ぶほど、「日本と欧米の逆転」を感じるようになりました。日本は行政が先行して貧困や格差対策制度を導入しているので、キャリアコンは1対1の相談のみに目が向いてきたように感じます。キャリコンの中には、今日でいうenablingをしている人もたくさんいると思いますが、敢えて言うと目の前の人を支援する域を脱していない、社会正義やアドボカシーの枠を意識していないだけ。だから、欧米の動きを聞くと「我が意を得たり」なのだと思います。キャリア支援は欧米輸入型のイメージがありますが、日本人が取り組んできたことをもっと誇りに思っていいし、何をやっているかを枠組みとして意識すべきだと思います。
- 欧米では「社会のため」という大きな視点が根付いているからこそ、日本発の「生きがい(Ikigai)」が新鮮に映る一方、日本では逆に社会的公正や平等の視点を意識的に持つ必要があるとのお話が印象的でした。また、実践の場では リファー < サインポスティング < イネイブリング の階層を意識し、単なる情報提供にとどまらず、機会や資源につなげる働きを意識的に実践していきたいと感じました。
- 社員にMyPurposeに考えさせようとした経営者の話は素晴らしいです。Ikigaiに重なると思いました。また、(参加者からの)市営住宅ではギリギリの実態があるというお話も強烈でした。「Ikigaiどころではない」のかもしれないですし、「生きていくための収入得るために仕事を見つけなければならない」のはもっともなのですが、私はそういう人に対してもIkigaiや自分の仕事にどのように価値を見いだすか、キャリア支援の実践家ができる役割があると思います。
- 今年のNCDA大会の基調講演のひとつに、JP MichelによるChallenge Mindsetというのがありました。我々は仕事のMatchmakerではなく、クライアントが挑戦したい「世の中を良くするためのChallenge(課題)」を見出す支援をするCatalystなのだと。チャレンジに繋がる職業はいろいろな観点から複数あり、自身の強みが活かせる職種や修得すべき能力を明確するという道が見えてくる。これは恵まれた人であろうが、生活が苦しい周縁化された人であろうが、平等な機会があるはずです。
- JP Michelの著書のタイトルが『The World Needs You』で、『世界はあなたを必要としている』は欧米の人には自然と感銘を与えるのだと感じます。今日の最初のディスカッションで日本と欧米の「世界」のニュアンスが違う話も出ましたが、私の中では「The World」を「世の中」と訳すとしっくりきます。
- 私は「企業の中において、社会正義のキャリア支援をどのように機能させるのか」を考えています。しかし、その意識を社内で理解してもらうことはかなり難しいことも事実です。恵まれたグループから選ばれて採用された新卒の学生が、やがて会社の主流となり、会社を動かす存在となっていきます。会社のキャリア支援は縦(グレードを上げる)への支援が中心で、横(キャリアの幅を拡げる)への支援はほぼ皆無です。そこには人に対して「丁寧に」とか「困っている人に寄り添う」という概念は存在せず、競争だけが存在する正しく資本主義的なキャリア支援が良し、とされる世界です。その結果、何が起きるかというと、エンゲージメントの調査データとは真逆の社員の不平不満が溢れ、DE&I施策は形骸化しています。(私自身が)人事部に所属しているだけに辛い状況ではありますが、ほんの少しでも人間的な会社にすることができるのはキャリアコンサルタントしかいないと思って仕事をしております。
- キャリア支援は単なるスキルアップではなく、社会的不平等を是正し平等に貢献する営みである、という大原則を再認識しました。特にOECD報告が指摘する「低SES層や不利な立場の若者ほど、より多くの支援が必要」という点は、産業別組織や地域・中小組合にとって、現場レベルで最も重要な使命だと感じます。日本ではまだ十分に議論されない「不平等の是正」という観点を、組合が社会に広める必要性を強く意識しました。サインポスティングとイネイブリングの概念は、組合活動の具体的指針として非常に有効であり、現場での支援の質を高めるヒントになりました。
- 昨今、キャリアカウンセリングでは、「ワーク」ではなく「ライフ」にIkigaiを感じているクライエントと出会うことが多い。「ワーク」よりも「ライフ」の方が、Ikigaiというワードが当てはまりやすいのかもしれない。もしかすると日本人の中には「ワーク」(仕事)をIkigaiにするなんて・・・という思考を持たれる方も多いのかもしれない。「ライフ」のIkigaiを継続するために、手段として「ワーク」があるという考え方もよく耳にする。「ワーク」も含めた自分の「ライフ」があって、うまくバランスが取れ、全体にIkigaiを感じられたら、気持ちよく過ごせそうだと感じた。
- マイノリティ支援の際に、「どうやったら、この方が困っていることを解決していけるのか」という視点から、「困難×環境×個別性」のかけ合わせで、何をどこまで具体的に支援していくかを考え、実践しています。私の情報に不足や誤りはなかったか、誘導ではなかったか、解決思考になってはいないか、という毎回の反省や振り返りとともに、それでもどうにもならない現実を抱えた方々に支援を続けています。どこか逡巡を抱えながら支援を続けておりますので、下村先生にenablingのお話をいただいた時、ただ情報提供するだけでは支援が成り立たない「水際の就労支援」に温かさや理解を向けてくださっていることが伝わってきて、胸がいっぱいになりました。
- 外資系企業(英・米)に勤務しておりましたので、「グローバルから下りてくるチームワークへの価値観」に対する日本人の受け止めや理解(そもそもの自律性や個別主義の感覚が違っているところへ、既に持っている「集団主義」尊重が下りてきて、本来の期待とは違ってくる)など、ずっと感じていたところでしたので、下村先生からお話いただいてなんだかすっきりした気持ちになりました。異文化間で価値観を共有するときには、それぞれの文化ならではの理解の仕方や違った工夫が必要ですね。海外から学ぶ際にも同様に、自らが持つ文化、価値観や感覚、準拠枠を踏まえて咀嚼するよう心掛けたいと思いました。
- 生きがいがIkigai として海外で語られる。生きがいという概念がないことにまずは驚きました。検索するとIkigai はPurposeと翻訳され、単純に「目的」でした。日本人は人生に意義、価値、意味を求めるのでしょう。仕事にもやりがいという言葉を使って、意義や価値を見出す。国民性なのだと思いました。基本的に「労働は生きるため、報酬を得るため」と考えても間違いではないと思いますが、日本人はそこに「甲斐」を求める。独自性のある概念と理解しました。
- アンチ・フラジリティの概念の共有をしていただき、これが次の時代のひとつのキーワードになると感じました。先日、レジリエンスのことを少し学んだのですが、レジリエンスの中の「教訓化」に通じるものがあったように思いました。また、日本は制度が整っているということを知り、まだまだ自分は使える資源をあまり知らないことに気づかされました。サインポスティングやイネイブリングが出来るようなキャリアコンサルタントになりたいと思います。そのためには国がやっていること、自治体がやっていること、そして民間企業がやっていることにアンテナを張り、情報収集をしていくことが大事だと感じました。
2.実践発表
河野道子さん(法政大学 地域ウェルビーイング研究所 特任研究員)
「女性のキャリア支援」
~“おひとりさま”ミドルシニアの社会的孤立を防ぐために~」

【 河野 道子(こうの みちこ)さん 】
国家資格キャリアコンサルタント、キャリア・シフトチェンジワークショップインストラクター。
法政大学大学院政策創造研究科修士課程修了。専門は、政策学、キャリアデザイン学。






■参加者の皆様から寄せられた意見、感想など
- 河野さんの発表は、労働組合が「ライフキャリア支援」を包括的に考える必要性を鮮明に示すものでした。お一人様ミドルシニア女性の増加、低い年金受給額による経済的不安と孤立――これらは飲食業界・サービス業でも切実な課題です。那須まちづくり広場の事例は、介護・見取りまで含む終身サポート、多世代交流による役割創出、低コストでの入居など、現実的かつ希望を感じさせるモデルでした。組合が地域連携を強化し、退職後や非正規雇用の仲間に「生涯にわたる安心」を提供する道筋を具体的にイメージすることができました。
- おひとりさまミドルシニアのデータを提供いただき、ありがとうございました。このような切り口でのデータを見ることはありませんでしたので、支援の視点が一つ増えたように思います。会社におけるシニア層のキャリア支援の話題として考えても良いテーマだと思います。
- 女性のミドルシニア期におけるシングル率の高さに大変驚きました。これから「おひとりさまの老後の過ごし方」は日本社会全体にとって重要なテーマになると実感しています。私自身も子どもがいない立場であるため、この問題は身近で興味深い課題として受け止めました。また、「那須まちづくり広場」の活動を初めて知り、こうした地域コミュニティが各地に広がっていくことの意義を強く感じました。
- 地域ウェルビーイング研究所の研究員でいらっしゃる河野さんのお話は、現実の女性の姿を浮き彫りにしてくださり、とても参考になりました。これからの生き方を再考することができました。ありがとうございました。
- 女性のおひとり様について、いずれは自分自身の問題にもなります。(私自身が)今50代半ばです。そろそろ定年後を視野に入れて、生活基盤や仕事のこと、将来のことを振り返る時期に、この発表を聞いていろいろな視野を持つことの大切さを教えて頂いたような気持ちになりました。ありがとうございます。
- 河野様、貴重な実践報告をありがとうございました。「家族にご馳走したい」「服を買いたい」という小さな夢が、人を支え孤立を防ぐ力になるというお話が、強く胸に残りました。労働組合が守るべき「労働の価値」は、高額報酬ではなく、人の尊厳と希望を支える安定収入と役割なのだと再確認しました。(私が所属する)労働組合としても、那須まちづくり広場のような事例を参考に、地域社会と手を携えて退職後も役割と生きがいを持ち続けられる仕組みを模索していきたいと思います。
- 将来一人になることに不安を抱える女性も多いと思いますが、そのような方への支援において非常に参考になる事例でした。私自身、夫はいますが子どもはおらず、将来一人になるかもしれないことを考えることはあるものの、具体的に何をどのように考えればよいのかわからないことも多いです。今回のお話をきっかけに様々な情報に触れながら、将来の準備をしていきたいと思いました。
- 日本の高齢化社会で、目を向けなければならない問題に向かっていく河野さんの活動に感動しました。活き活きと生きていくために、どのようなコミュニティを作り、周辺と共存していくか、具体的な那須のような例があるのだと教えて頂きました。
- 本日の研究会の中でも触れさせて頂きましたが、シニア向けキャリア支援への関わりの中で、とても重要なポイントの1つでした。リスペクトする意味を込めて「女性」「男性」を必要に応じて区別し、令和の時代に求められていく「キャリア支援」を考えることの重要性を今回の実践発表で再認識させて頂きました。同時に、学会における「ミドルシニア世代へのキャリア支援」に向けた「研究&実践」活動に対するモチベーションを上げて頂きました!
- ご発表ありがとうございました。支援者として、これからを生きていく個人として、「光」と申しますか、「可能性」を見せていただいた気がしています。「自分の人生を自分で決める」。キャリアコンサルタント倫理綱領にもあるように、自己決定権はクライエントにあり、「責任をもって自分で決めていくこと」、その意識を持つことの大切さを改めて感じます。
- (私自身が)かつて氷河期世代のシングル女性の就労支援をしていたことがあります。もしかしたら、いずれ私自身も…と可能性を想像したり、女性の経済面の自立について考える機会が自然と多かったように思います。自治体等では、遊休施設、土地を活用する、複合施設を、という視点はかなり前から課題として挙がっており、活用できるものは多く存在すると感じます。私自身も職住近接、短時間で働ける場所を開設したことがありました。現在はそのような活動からはすっかり離れていますが、改めて、私にもまだできることって何だろう?と考えてみたいと思いました。
- ミドルシニア女性がどのような状況にあるのか初めて知りました。今後ますます課題が大きくなってくると思われますし、実際に私の母も同じ状況ですので、この分野での貢献ができたら幸いに思います。ありがとうございました。
- 男女を問わず、ミドルシニア層の社会的孤立は今後ますます進む高齢社会にあって、重要な課題だと感じました。それまでの自分を関わってきた社会から離れたときの困惑は想像できます。そこに支援者として関わることは、社会正義のキャリア支援の一つとして大きな意味を持つと思います。
- 数日前に、国の孤独・孤立対策官民連携プラットフォームのシンポジウムに参加したばかりなので、それと連動して興味深く伺いました。シンポジウムでは、住まいと言うハードの面からの取り組みの紹介がありました。そうした意味でも、このような場をつくることの重要性を再認識いたしました。
- (支援に携わる中で)女性のおひとりさまのご相談も多く、最近も、支援している方のおひとりで、近親者との縁が薄いおひとり様女性がいよいよホスピスに入られた際のご苦労についてお聴きしていたところです。人生の最終ステージについてライフキャリアの視点から考えておくこと、支援する際の知識や情報をもっと学ぶ必要があることを痛感しているところでしたので、大変興味深くお聴きしました。そして、私も女性おひとり様・・・(息子はいますが、きっと就職で都会へ行くでしょう)。ありがとうございました!
- 那須まちづくり広場の取り組みは知りませんでした。こどもから高齢者までがお互い支え合う仕組みをつくるという「100年コミュニティ」の理念は素晴らしいと思います。私の母は、ごくごく普通のサービス付高齢者住宅に入っています。入居してから5年以上経ちますが、施設のスタッフの仕事は丁寧で安心して母の世話を任せることはできています。しかし、那須まちづくり広場のような環境で過ごすことができれば、母の人生はもっと幸せだったのではないかと思います。このようなコミュニティが沢山できると良いと思いました。
- 課題はあれ、ネガティブな結果が一部あるとしても、何よりも新たな取り組みが進んでいること、かたちになっていること、試すことができていることに希望を持ちました。女性だけでなく「おひとりさま」と言われる、独り暮らしの方がこれから増えていくことが想定されており、私自身も気になっている問題でした。問題は口にできるけれど、「それでは、どうする?どう行動する?」となると、なかなか進まないのが現実です。キャリアコンサルタントは、連携する意欲、学ぶ意欲、考える意欲、何かを実現したい意欲を持つ方は多いように感じています。一人ではなく、連携力が活かせるのではないかと改めて感じました。
当研究会顧問の下村英雄先生からのコメントです

今回は、海外のキャリア支援におけるトピックスとして、エクトル・ガルシア氏の世界的ベストセラー書籍『IKIGAI』とともに、「Ikigai(生きがい)」の概念を取り上げました。
Ikigaiの概念は、個人のワークとライフのバランスを重視している点が最大のポイントであり、社会正義のキャリア支援の領域でも大いに話題となっています。
グリーン・ガイダンスの提唱者であるピーター・プラントなど、特に欧州の社会正義のキャリア支援の研究者たちは、キャリアガイダンスを単に「より高い競争力を求めるグローバルな競争における、経済成長の手段」と捉えることに反発を示します。彼らは、西洋の直線的かつ合理的で達成志向のキャリア観とは異なるものを常に模索しています。そのような中で、東洋の日本発の文化的な概念として、Ikigaiが大変注目されているのです。
また、日本ではWill、Can、Mustのフレームワークがよく使われますが、Ikigaiには「社会は何を求めているのか」という視点が入ります。社会的な問題意識があることが、社会正義のキャリア支援の研究者たちに響くのでしょう。
その他にも、「アンチ・フラジリティ」という概念もご紹介しました。これは困難や危機に対して柔軟に対応しようという「レジリエンス」とは違います。むしろ、傷ついたり、失敗したり、危険にあったり、リスクを糧にして成長していこうという考え方ですね。今後注目すべき概念です。
これからも国内外のキャリア支援に関する最新情報などをお伝えしたいと思います。本日はありがとうございました。
研究会の振り返りやコメントをお寄せくださった皆様、ありがとうございました!
次回は12月20日(土)にオンライン(Zoom)開催します。(お申込みはこちらから)
皆様とお目にかかれることを楽しみにしています。
(社会正義のキャリア支援研究会 事務局)
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